【概要】
小樽港から北へ。北海道西部の重要な港として留萌港があります。樺太方面を睨む位置にあり、北陸と北海道とを結ぶ北前船の経路上に位置します。近代的な築港は明治時代の末に始まります。ところが留萌は日本海の荒波が押し寄せることでも有名で、大正時代を通じて築港は続き、最終的には昭和初期に南北の防波堤が完成し一応の竣工を迎えました。
絵葉書にある「ケーソン」は港に沈める巨大な箱の様な構造物で、防波堤などの基礎になるものです。港の近代化の象徴として絵葉書に納められたのでしょう。地域の情熱が伝わってくる様です。
なお、留萌の築港の苦労話の一つとして、激しい波でこの巨大なケーソンが破壊されたり動いたりした、というエピソードがあります(大正9年の出来事)。
【内容】
留萌土木派出所/留萌支庁及土木派出所/留萌築港ケーソンの進水/留萌港川口の景/留萌築港工事滑台上より進水せるケーソン/留萌内海水門附近ノ景/留萌築港大形ケーソン製作所
【撮影・作成年代】明治40年4月~大正7年(1918)3月まで
通信欄の罫線が宛名面の3分の1の位置にあるため。ちょうど留萌港が近代的な築港工事を始める時期に重なります。
【作成】不明
内容から推するに留萌土木派出所が作成に関係した可能性があります。
コメント