【概要】
十勝地方の中央部に位置した大正村。大正4年に成立しました。現在の帯広市大正、帯広市川西、中札内村、更別村を包含する自治体で、大正13年に川西村、昭和22年に中札内、更別両村を分村させます。昭和34年に川西村とともに帯広市と合併し、現在は帯広市の農村地帯を構成する村落となっています。
明治30年代から本格化する十勝地方への移住に際して、現在の大正地区(絵葉書で言う幸震地区)はいち早く開拓者が入地した場所として知られます。一方、絵葉書中の中札内や上札内、更別などは先駆的な入植がありながらも昭和初期の広尾線の開通をもって開拓が本格化していきました。
現代ではこの地域は十勝地方有数の農業地帯で、絵葉書にもすでに農作や畜産の風景がふんだんに現れています。
【内容】6枚
幸震市街大通り/戸蔦方面の耕地/上途別ノ水田/中札内方面ノ牧畜/中札内上札内方面青豌豆ノ開花/鳥瞰山公園ヨリ上札内サラベツ似平ヲ望ム
【作成】大正13年以降昭和4年ころまでか
絵葉書の時代は、ちょっと判断が難しいところがありますが大正13年の川西村分村の後かなと思います。川西村の分村以前ならば、例えば大正9年に工場が完成した北海道製糖帯広工場は絶好の被写体であるので、絵葉書の題材に登場してもおかしくありません。これがないため工場のある川西村分村以降に作成された絵葉書なのではないかと考えます。ただし、今手元にある6枚以外にまだ同じシリーズの絵葉書がある可能性が十分にありますので、憶測の域を出ないところです。
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