【概要】
北海道富良野市の郊外にかつてあった温泉旅館松壽園の絵葉書です。陸軍の療養所にも指定されていたようです。最寄駅は島ノ下駅で、この駅は2017年まで旅客を取り扱っていましたが廃止され、現在は信号所になっています。松壽園は付近の林で見つかった鉱泉をもとに昭和3(1928)年に開業。陸軍の療養所指定を解除された昭和16年に閉業したそうです。絵葉書には源泉や旅館内部や湯船が詳しく記録されていて当時の旅館のしつらいを知ることができます。
いつも思うのですが、こうしたしつらいは本州の温泉旅館と大きな差異は見られず、北海道では寒くないのでしょうか。大広間の絵葉書には火鉢が置いてあるのですが、これじゃ富良野の冬は、幾ら温泉であったまっても厳しいのではないかと勝手に想像してしまいます。旅館として営業していたわけですからきっと大丈夫だったのでしょうけれども、ちょっと不安になります。
【内容】6枚1セット 包紙あり
下富良野松壽園階上 大広間/下富良野松壽園 浴室/下富良野松壽園 園の全景と桜花の一部/下富良野松壽園 本館と第一養鯉場/下富良野松壽園 入浴場と鹿の戯れ/下富良野松壽園 第一号湯元
【作成・撮影年代推定】昭和3(1928)年~昭和8(1933)年
開業年の昭和3年、通信欄の罫線が宛名面の2分の1の位置にある点、右から「郵便はかき」の表記のため昭和8年までと推定。
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