【概要】
大分県別府の写真絵葉書です。大阪から瀬戸内海を航路とったその先、九州大分に別府は所在します。こうした地勢と、もちろん温泉という地域資源があり、別府は明治時代の早い時代から他の地域に先んじて観光地として栄えます。
明治末から大正にかけて鉄路や道路が整備されると、観光地としての別府の地位は盤石になります。また大正時代には別府に魅せられた地域内外の人々に担われ、いままで無用の長物だった「地獄」(あっついお湯や泥が湧き出る耕作とかができない場所)を観光地化に成功。「地獄めぐり」という観光プランを構築するに至ります。
以上参考:「温泉観光の過去と現在」(別府市役所ウェブサイト)
絵葉書はそんな観光地として全国をリードする別府の様子を、様々なスケールで記録してくれています。発展する市街の風景、有名な温泉、売り出し中の「地獄」、寺社仏閣。いろいろ見られていい感じの絵葉書です。
市街全景の写真が個人的におすすめで、しっかり港に船が着くところを記録しているところが好きです。あと、平成元年になくなってしまった別府の大仏の写真も、上に登れちゃうところとか手前のお坊さんがいい笑顔しているところとかかなり好きな絵葉書です。
【内容】包紙1、絵葉書6
別府温泉場全景/不老泉/海地獄/血ノ池地獄/別府大仏八十尺尊像/乙原滝
【作成・撮影年代】昭和3(1928)年~昭和8(1933)年
別府大仏の落成法要が昭和3年、通信欄の罫線が宛名面の2分の1の位置にある点、右から「郵便はかき」の表記から下限が昭和8年と推定してます。
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