【概要】
徳島市街を記録した彩色写真絵葉書です。徳島は吉野川を筆頭に大小の河川・堀がめぐる都市で、海を含めて水面が美しい都市です。また近傍には眉山がそびえ、市街中心部には徳島城の城址の小高い山があり、近くを見ても遠くを見ても楽しい街です。
そんな徳島の戦前の雰囲気がわかる絵葉書。この絵葉書を見ながら、私は以前徳島に3泊したことを思い出しました。私の話をしても仕方がないのですが、一点だけ絶対に紹介したいことがあります。それは、ひょうたんじまクルーズという観光です。先述の通り徳島は大小の河川や堀が伸びる街なのですが、ひょうたんじまクルーズは新町川と助任川に囲まれた中心市街地域を舟でめぐるコンテンツです。囲まれた地域がひょうたんの形に似ておりこの名前がついています。これがとっても面白くて、普段見られない川からの街の姿を見ることができます。そして、これは伝統社会では当たり前に見られた光景なのかな、とか考えて、めちゃくちゃ旅の醍醐味を感じました。しかも面白いことに、舟ですので満潮・干潮など河川の状況次第ではコース変更を強いられます。運転手のおじさんによると満潮の際には場所によってどうしてもくぐり抜けられない橋が出てくるのだそうです。私が乗った時は満潮で全ての航路を巡れませんでしたが、ところがそれはそれで面白くて、運転手のおじさんが「頭下げてー!」とみんなに伝えて、乗船者は橋ごとにしっかり頭を低くしてやりすごす一幕があり、楽しくクルージングをしていました。
絵葉書では新川橋と助任橋が記録されています。ちょうどクルーズでめぐる場所です。徳島駅はひょうたんじまの中、背後は徳島城跡です。おそらく絵葉書の徳島公園は、城址の麓に整備された現在の徳島中央公園でしょう。こんな感じで絵葉書には現代に通ずる場所が記録されており、思わず旅の楽しい思い出が蘇ってしまいました。
ほとんどひょうたんじまクルーズの話に終始してしまいましたが、これは最高のコンテンツなので徳島行った時はぜひ乗ってみてはいかがでしょうか。
【内容】8枚
雪中の徳島市街全景(パノラマ2枚)/徳島駅/新町橋/助任橋/徳島公園/大瀧山公園/春日公園
【撮影・作成年代推定】大正7(1918)年~昭和8(1933)年
通信欄の罫線が宛名面の2分の1の位置にある点、右から「郵便はかき」の表記から判断。
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