【概要】
切り出した木材の搬出に使用された鉄道の絵葉書です。私は北海道に住んでおり、ここでは林産地帯の奥部に、大正時代から戦後にかけて森林鉄道が伸びていました。今でも森林鉄道の遺構があったり、地域の博物館や資料館で展示が行われたりします。また、私の身の回りには、(その人からすると親の世代が)戦後の苦しい時代に営林署関係の仕事など林業や関連の産業に就くことができ、山奥の森林に近いところで育ったと語ってくれる人も多いです。時代や産業構造・物流構造は移り変わりましたが、林産が果たした、そして果たしている役割は私たちの暮らしに隠然と影響を与えているのだと感じます。
絵葉書は起点の上芦別駅界隈のパノラマ写真と、森林鉄道の橋梁を中心としたもので構成されています。おそらく工事が完成したことを記念して作成されたのではないかと思います。
【内容】パノラマ写真3、絵葉書7 合計10
上芦別駅パノラマ写真3枚:ミシン目が右側に続いていますので、本来は3枚以上のパノラマ写真です。
緑泉橋/青木橋/霞橋/東西橋/奥ノ橋/二股橋/石門絶壁
なおそれぞれの橋の位置や名前の由来について詳しく調査されている方のウェブサイトがあります。ご参看ください。
【撮影・作成年代】昭和9(1934)年以降
通信欄の罫線が宛名面の2分の1の位置にある点、右から「郵便はかき」の表記で昭和8(1933)年が下限ですが、絵葉書の内容はそれ以降のものが含まれていると考えられます。すなわち上芦別駅の貯木場ができ、二又地区まで線路が延伸される年が昭和9年です。そのため昭和9年以降の作成と考えられます。
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